株式会社カプセルの野田 真代氏と弊社代表の山川による合同オンラインセミナー「住宅会社が今やるべきSNSと間取り提案で売上増加セミナー」を、住宅業界の企業さま向けに開催しました。本記事は、野田氏から「SNSを活用した住宅業界の集客方法」を、山川からは「契約につながる間取りのヒアリング方法・提案」に関してイベントレポートします。特に、工務店経営者さまは必見です!第一弾は、野田氏による「住宅会社が今やるべきSNS戦略」です。住宅業界ならではの事例もふまえながら、インスタグラムの活用方法をレポートします。登壇者紹介:野田 真代/株式会社カプセル SNSコンサルタント住宅業界に特化したSNSマーケティングの専門家。工務店・ハウスメーカー・建材メーカーなど多くの企業のSNSマーケティング支援を行う。建築建材展等のイベントや建材メーカー共催のセミナー実績も多数あり。トレンドをふまえたマーケティング施策に定評がある。住宅業界が集客のために使うならインスタグラムがおすすめ!野田:数あるSNSの中でも、住宅企業と相性が良いのはインスタグラムです。住宅は高価格で低頻度の商品であり、ユーザーにとって検討する頻度が長い性質があります。一方、インスタグラムは動画や写真を投稿でき、多くの情報を発信できるのが魅力です。投稿頻度が少なくても動画や写真を活用して確度の高い情報を継続的にアップすれば集客につながりやすくなります。そもそも、今、SNSユーザーの84%以上が情報収集目的でSNSを活用しています。中でも、日本のインスタグラムユーザーの検索機能利用は、世界の5倍多いんです。つまり、ユーザーはある特定のキーワードをインスタグラムで検索して情報収集をしていると考えられます。一般的に、SNSは手間がかかるイメージがあると思います。しかし、インスタグラムなら発信内容に合わせて動画や写真を選び、質の高い投稿を1日1つするだけ。ユーザーが知りたい情報や確度の高い知識を、一球入魂のように投稿するのが理想的です。以下のグラフをご覧ください。野田:SNS上の商品・サービスで好まれる情報源の36%は、「企業から直接提供されたもの」です。つまり、ユーザーはインフルエンサーや公的なメディアで発信された情報よりも、企業が発信する情報に重きを置いています。また、インスタグラムユーザーの83%は購買行動につながっており、SNSの中ではトップです。(消費者省 令和4年版消費者白書より)この2点のデータからも、自社の商品やサービスの認知度を上げるためにはインスタグラムを活用すべきだと考えます。ちなみに、他のSNSはビジネスで活用する場合、使用頻度と目的が異なります。例えば、インスタグラムに並ぶX(旧Twitter)は、1日3回以上発信しないと伸びない傾向です。1日3回の発信が可能であればXも効果的ですが、住宅会社さまには負担が大きいかもしれません。また、YouTubeは動画コンテンツを目的として利用されることが多いため、直接的な集客には繋がりにくいと考えます。一方、LINEはインスタグラムで認知拡大をした上で公式LINEに誘導すると集客に効果的。そのためにも、インスタグラムを運用してブランディング・認知度向上・お客様との接点を増やし、確度の高いアカウントに育てることが重要です。インスタグラムで認知を拡大させるテクニックここからは、インスタグラムを認知向上させる4つのポイントを解説します。1:あらゆる箇所にInstagramへの導線を野田:まずは、インスタグラムへの導線を増やすことが大切です。素敵な投稿を発信しても肝心のアカウントにたどり着けなければ意味がありません。ホームページ・会社案内・名刺・資料など、あらゆる箇所にインスタグラムのアカウント情報を載せて、「こんな情報を発信中!」といったメリットも記載するとフォローされやすくなります。というのも、ホームページにアイコンだけ載せる企業は多いですが、クリック率は非常に低いです。企業のホームページは毎日見なくても、SNSなら84%のユーザーが毎日ログインしています。インスタグラムへつなげる導線は複数あるほど効果的です。注意点は、企業名がローマ字表記の場合です。カタカナで検索しても企業を発見できるよう、アカウント名には必ずカタカナも入れてください。2:ハッシュタグ・情報量・投稿のタイミングが重要野田:インスタグラムの投稿に写真の質は影響しません。投稿内容を差別化するには、#タグ(ハッシュタグ)・情報量・投稿のタイミングが重要です。野田:ハッシュタグは、画像と関連性の高いものを30個入れるのがおすすめです。ハッシュタグには「ビッグ」「ミドル」「スモール」のランクがあります。入れる割合は、ビッグ5個・ミドルとスモールを10〜15個入れるとインプレッションが伸びやすくなります。注意点は、商品名や地域名のハッシュタグだけで30個占めないこと。これだと住宅関連の情報が欲しくてもユーザーはアカウントにたどり着きません。住宅会社なら、「リビング」「家族団らん」「アットホーム」「〇〇スタイル」など、住宅と派生した言葉を入れるのがおすすめです。ユーザーが知りたいキーワードを思い描いてハッシュタグを入れると、自社の認知につながります。3:投稿のタイミングは水曜日以降&夜がおすすめ!野田:住宅会社の場合、投稿は水曜日以降がおすすめです。ユーザーは、月・火曜日は家の情報収集をしないケースが多く、競合は火・水曜日休みだからです。自社が休日の場合は、予約投稿機能を使ってくださいね。時間は、春は18時以降、夏なら20時以降がおすすめ。日本人の3分の2は夜にログインするため、ユーザーがインスタグラムを見る時間帯を狙うのがよいでしょう。絶対に避けるべき時期と曜日は、歓送迎会・年末年始の忘年会・新年会が行われるシーズンの金曜日の夜です。ただし、年末年始であっても確度の高いユーザーは家づくりの情報を探している傾向があります。「おすすめのアイランドキッチンメーカー3点」といった、より深い情報を知りたいユーザーに向けて発信するのがベストです。4:いいね・保存・交流を重視野田:アルゴリズムはフォロー数よりも、「いいね」「保存」「ユーザーとの交流」を重要視しています。これらを基盤にしてフォロワーと積極的に関わる機会を増やせば、アカウントの認知拡大につながります。例えば、「インスタグラムの保存機能を利用したことはありますか」に対して、約61パーセント以上の方が保存機能を使っていました。(2年前の当社アンケート調べ)保存機能とは、ホームページで例えると同等の効力があるものです。つまり、ユーザーから発見されて発信内容を保存してもらえれば、集客につながる指標と言えます。また、「ユーザーとの交流」に効果的なのは、インスタライブやストーリーズです。普段は見られない住宅会社の一面をリアルタイムで発信すれば、フォロワーとの距離を縮められます。インスタグラムの特性を理解して戦略的に運用することで、企業の認知拡大につながりますよ!住宅業界ならではのインスタグラム活用術ここからは、具体的なインスタグラムの活用方法を3つのポイントに分けて解説します。1:ストーリーズで交流&雰囲気を知ってもらう野田:インスタライブやストーリーズはフォロワーとの距離を縮めることはもちろん、ホーム率アップにも効果的です。ホーム率とは、フォロワーの投稿フィードに自社の投稿が表示される割合です。この数値が高いほど、ユーザーが自社の投稿を目にする機会が増えます。ちなみに、ホーム率は40%〜50%を維持した上で、60%を目標にしてくださいね。投稿する内容は、住宅業界ならではの情報やお客様の不安を解決できる投稿が好まれます。以下はその一例です。「家づくりの注意点」などの選択式の投稿「ショールームへ行くのは緊張しますか」など、簡単な気持ちの調査住宅見学会や勉強会のイベントの様子ショールームの様子スタッフの素顔上記の投稿なら住宅会社の雰囲気が分かり、双方の交流が生まれるきっかけになります。24時間で消えるストーリーズは、ハイライト機能を使えば重要な内容を保存でき、いつでも閲覧可能です。月に1度はフォロワーが興味を持てる投稿を心がけてくださいね。2:フィード投稿で豆知識をアップする野田:フィード投稿では住まいに関する豆知識を発信するのがおすすめです。例えば、住宅選びのポイント・インテリアのアイデア・住宅ローンの基礎知識など、フォロワーの関心が高いテーマを取り上げるのがよいと思います。フィード投稿は保存されやすいため、保存率を上げるのに効果的です。「保存はこちら!」など訴求画像があれば保存率向上につながり、確度の高い投稿と認知されやすくなります。専門的な内容は分かりやすく伝え、字数はX(140文字)よりも多く入れることを心がけてください。3:リール投稿を活用して新規ユーザーと出会い続ける野田:住宅は高価格で低頻度の商品であるため、常に新しい顧客に出会うのも大切です。そのためには、短い動画コンテンツであるリール投稿を活用するのがよいでしょう。弊社の調べによると、目安の再生時間は15秒程度です。投稿のポイントは、最初の3秒以内に「〇〇が知れます」と明記し、テンポよく情報を伝えること。例えば、ルームツアーなら最初の3秒に「玄関からの2つの導線」と明記し、30秒ほど撮影した動画を2倍速で投稿します。投稿内容を伝えてテンポよく発信すれば、ユーザーは最後まで動画を見てくれるでしょう。リールで投稿する内容は以下のスライドを参考にしてください。野田:動画のメリットは、商品の使用感が説明しやすいことです。音・質感(素材感)・動き・重さなど、静止画では把握しにくい点を分かりやすく伝えられます。住宅関連なら、開ける動作やスイッチを押す動作や音、壁をコンコンと軽く叩くなど、商品の魅力が15秒で伝わるように工夫してくださいね。徹底分析!ユーザーを飽きさせない住宅業界で好反応のカテゴリ野田:上記のスライドは、弊社が住宅関連の企業さまの運用代行やコンサルティングする中で保存率が高いと考えているカテゴリです。特に太字のカテゴリは他社さまで投稿している頻度が少ない情報です。これらの内容を1日1回ローテーションして投稿すれば毎月1,000以上のアクセスをインスタグラムからホームページにつなげられ、集客につながると考えます。