間取りは、お客さまにとって数ある住宅会社を決める重要なポイントになります。とはいえ「ヒアリングの時間が短い」「提案に時間を要する」など、実際はさまざまな課題があるもの。それにより、お客さまが満足する間取りを提案できない場合もありますよね。ただ、もし初回に早く・的確に・選択肢を絞れる間取り提案があるのなら、どんな方法か少し気になりませんか?そこで本記事では、「お客さまの要望を汲み取ったリアルタイムな間取り提案方法」に関して弊社の西垣と山田に聞きました。リアルタイムな間取り提案は現状の課題を解決でき、お客さまと営業担当者の双方にメリットもあります。「初回に来客されたお客さまの心を、間取り提案でつかめない」「間取り提案に苦手意識がある」このようなお悩みがある方は必見です。ぜひ参考にしてください。従来の間取り提案の課題「時間がかかる」「刺さらない」ーー初回でお客さまが満足する間取りを提案できれば、その後の受注につながる可能性が高いと考えます。しかし、従来の間取り提案のプロセスには問題点もありますよね。具体的に、何が課題なのか教えていただいても良いですか?。西垣:間取り提案のプロセスにおいて、課題は2点あります。1つ目は、間取り提案に時間がかかることです。一般的に、初回接客でお客さまの要望をヒアリングした後、間取りの提案には1〜2週間かかります。ただ、お客さまは忙しい中来店される方が多いため、この待ち時間は長すぎです。1〜2週間の間に要望が変わっていたり、別の住宅会社を訪問して検討していたりする場合もあり、時間をかけて作った間取りを提案する機会すら逃す可能性もあります。ーー確かに、お客さまは同時並行して住宅会社を回っている可能性は高いですね。西垣:2点目は、さまざまな要因によりお客さまにとって魅力的な間取り提案ができないことです。初回ヒアリングの時間は、2時間程度が一般的です。なるべく要望を詳しくヒアリングする住宅会社もありますが、短時間なので十分な情報量を得られない可能性もあります。また、短時間でお客さまの要望を聞き出せても、希望の間取りに落とし込めるかは営業担当者の力量にも左右されます。1〜2週間お待たせして的外れなプランを提案すると、お客さまは「期待外れだった」「この会社とは合わないな」という結果になってしまう。この2つの課題を解決するには、「リアルタイムな間取り提案」がカギだと考えます。リアルタイムな間取り提案は、「要望を聞き出してニーズをタイムリーに反映させる」ことーーmadreeデータバンクを使えば、「リアルタイムな間取り提案」ができるのですね。具体的にどのような提案方法なのでしょうか?山田:madreeデータバンクは建築士が作成した間取りを約4,000枚保持していて、お客さまと画面で共有できるツールです。間取りの要望や土地の広さ・形状など、さまざまなパターンから検索できるため、お客さまの要望を短時間ですり合わすことができます。例えば、土地の条件が決まっている場合、候補となる間取りをいくつか提示します。そこから「この中だと、どれが一番ご希望に近いですか?」と、まだ言語化できていないお客さまのご要望を探る。「2階リビングの開放感が好きかも」とおっしゃるなら、さらにその方向で絞り込みつつ、瞬時に修正を加えていきます。営業担当者としては、タイムリーなお客さまの要望に応えられます。一方、お客さま自身も積極的に間取り選びに参加でき、1〜2週間待つ必要もありません。ーーリアルタイムな提案だからこそ、引き出せる要望もありそうですね!山田:そうですね。例えば、吹き抜けのあるリビングの間取りを見せて、「この開放感はいかがですか?」と聞いてみる。そうすると、「いや、ここまでの開放感はいらないかも」といった本音が返ってくることもあると思います。つまり、当たりをつけた吹き抜けリビングの間取りを見せることで、営業担当者とお客さまのイメージする「開放感」をすり合わせることもできるんです。ーーなるほど。リアルタイムの提案に必要なのは、当たりをつけた間取りを提示することも重要なんですね。山田:お客さまの本当の要望は、初回のヒアリングだけではつかみきれないことが多いと思います。しかし、お客さまの要望や好みに近い当たりをつけたプランを素早く見せることができれば、提案の方向性を定められる。たとえ短時間であっても、お客さまと対話を重ねる中で、本当に望んでいる間取りが自然と提案できると思いますね。ーーmadreeデータバンクは、お客さまの要望を引き出すだけでなく、営業担当者にもメリットがありそうな気がします。西垣:そうですね。新人の営業担当者の場合は、間取りのバリエーションが増えて提案の引き出しが増えるのではないでしょうか。一方、ベテラン担当者の場合は、従来の間取りの固定概念が覆り、さらに契約率アップを狙えると考えます。ーーなるほど。詳しく聞かせてください。山田:新人営業担当者がmadreeデータバンクを使えば、知識や経験不足を補えて勉強のツールにもなります。例えば、madreeデータバンクは自社以外の間取りを見られるだけではなく、制作した建築家のコメントも閲覧可能です。建築家の作る間取りやアイデアの幅は、営業担当者が作成する間取りよりも膨大な情報量なんです。「こういう考えもあるんだ」という発見はもちろん、そのような間取りを活用しながらお客さまと対話することで、実践的なスキルを身につけられます!これは全営業担当者に共通していますが、皆さん日々忙しいと思うので引き出しを増やす勉強の時間はあまり取れないのが現状です。しかし、多様な間取りのデータを見るだけでも、効率的に知識の引き出しを増やせるのではないでしょうか。ーー確かに、日々の業務で追われていると勉強に充てる時間はないですよね。実戦で使うツールで引き出しを増やせると、時間も有効に使えそうです。一方、ベテラン担当者のメリットはいかがですか?西垣:ベテラン営業担当者さまは、自社の図面やルールでしか作れない間取りを長年見ている傾向です。しかし、madreeデータバンクの活用により従来の引き出しがアップデートすると考えます。たとえば、1階に水回りとリビング、2階に個室と収納がある間取りが一般的ですが、データバンクの間取りはその一部分が入れ替わったプランもあります。また、「南側にリビングを配置する」という暗黙のセオリーが覆り、北側にリビングを設けたプランもある。このように、同じ坪数・間口・奥行きであってもさまざまな間取りのパターンを見ることができます。さらに、どの間取りもトレンドを取り入れているため、時代に適したプラン内容も新たな発見につながるのではないでしょうか。接客が上手で、お客さまからの信頼を獲得するのも上手。ただ、間取りの提案が弱点であるといった方がデータバンクを使えば、さらに契約率を上げられます。リアルタイムな間取り提案のお客様事例ーー実際、madreeデータバンクを活用している住宅会社は、どのような方法でリアルタイムな間取り提案をしているのでしょうか?【自社の強みに合わせて、瞬時に提案する方法】西垣:低価格で家を建てられるのが強みであるA社は、データバンクに記載された項目をお客さまにヒアリングして、リアルタイムで間取りを提示しています。ヒアリングした間取りを印刷し、それを基にさらに会話を重ねて間取りを練り上げる。最終的に、「この間取りの住宅なら、こちらの金額で建てられますよ」と、ご提案しています。その方法により、A社はお客さまが好むトレンド感のある間取りを地域最安値で建てられるのが反響を呼んでいるそうです。【お客さま自身がデータバンクに触れてもらう方法】山田:B社は、打ち合わせ時にお客さま自身にデータバンクを操作していただいています。お客さまは画面を見ながら気に入った間取りを探し、そこから出た意見を基に要望を掘り下げていく活用法です。そうすることで、お客さまの好みや関心がダイレクトに分かるため、営業担当者の負担も減ります。一方、お客さまも主体的に間取り探しに参加するため、家づくりへの熱量を高められる。このケースは、土地の候補がある場合だと、より効果的だと思います。お客さまと営業担当者の双方にメリットがある、リアルタイムな間取りの提案リアルタイムな間取り提案は、お客さまの反応を見ながらその場で要望を反映できる従来にない提案方法です。忙しい中来店するお客さまにとっては自身の条件が間取りとしてタイムリーに明確化され、家づくりの熱を高める効果が期待できます。それにより、自社が選ばれる決め手となる可能性も秘めているといえるでしょう。madreeデータバンクを活用したリアルタイムな間取り提案は、短時間のヒアリングでも瞬時にニーズに合った提案ができます。また、多様な間取りパターンに触れることで、営業担当者の知識や経験値のアップデートも可能。自社の強みを活かすツールとしても活用いただけます。お客さまと営業担当者にとって効率的かつ効果的な打ち合わせが実現し、満足度の高い家づくりの近道になるでしょう。