新築住宅を建てる方の要望をWebでヒアリングし、オーダーメイドの間取り作成サービスを展開しているmadree(マドリー)。インスタグラムではmadreeに登録している建築士が作った間取りを更新しており、フォロワー数は17.4万人です。(2024年5月現在)一体、なぜ間取りに特化した投稿だけで多くの人から支持を得られたのでしょうか?運用で心がけていることは何か?本記事では、madreeインスタグラムの中の人である西垣にフォロワー数を伸ばし続けている背景を伺いました。間取りの課題よりも「暮らしの課題」に注目しているーー以前、「インスタグラムの運用は、1投稿目から可能性を感じていた」と、お話されていましたよね。(※) 間取りだけで2,000投稿、フォロワーは17.4万人まで伸び続けています。実際に運用して、ここまでアカウントが成長すると想定していましたか?※関連記事:17万フォロワーの舞台裏 1投稿目から感じた、間取りの可能性。西垣:いえ、ここまでフォロワー数が伸びるとは思っていませんでした。そもそもmadreeのインスタグラムを始めた目的は、ウェブサービス「madree(マドリー)」のニーズ調査だったんです。で、実際運用すると予想以上にフォロワー数が増加して。家を建てたい方からはもちろん、さまざまな住宅企業からもサービスの可能性を評価していただけました。ーーフォロワー数の急増は、世の中の人が間取りに対して高い関心と課題意識を持っているからなのでしょうか?西垣:間取りへの課題意識というよりも、「暮らしに対する課題意識」だと考えます。フォロワーの最終的なゴールは「快適な暮らし」であり、間取りはそのための手段として注目しているのではないでしょうか。たとえば、「この間取りなら、片付けながら帰宅ができる=モノが散らばらない」といった具合です。だからこそ、インスタグラムの投稿は間取りを通して現在の生活をどう改善できるか?という視点を重視してアカウントを運用しています。ーーなるほど。暮らしをよくしたいから、間取りの投稿が効いているという感覚ですか?西垣:そうですね。いつか家づくりに取り組む方は暮らしの課題意識を、いま家を建てたいと考えている方は理想の暮らしを実現するためのヒントとして、弊社の投稿を見ているのだと思います。女性ならではの課題意識・キャッチコピー・イラストをちりばめるーー単純に間取りの投稿を量産するだけでは、ここまでの反響は得られなかったのではないでしょうか。西垣:だと思います。性別で分けるのは今の時代よくないかもしれませんが、madreeのフォロワーは約7割が女性です。「家事の課題」や「家族が快適に過ごせるか」という目線をもって、心に響くコンテンツづくりを心がけています。特に、女性ならではの課題意識のアプローチに対し、キャッチーなタイトルやあたたかみのある間取りは効果的です。ーー例えば、課題意識のワードだと何がありますか?西垣:「キッチン周り」「収納」「家事動線」とかですかね。タイトルに日頃抱えているこれらの課題や不安をちりばめれば、ユーザーの目に止まりやすいと感じています。「投稿を立ち止まって見てもらうきっかけづくり」です。ーー課題意識と間取りの魅力を一言で表すキャッチコピーがあれば興味が湧きますね!イラストの効果はいかがでしょうか?西垣:そもそも、ユーザーの中には間取りを見慣れていない人もたくさんいらっしゃいます。間取りの中に人・収納するもの・家具のイラストを描くことで、課題意識を自分事にしやすく、生活のイメージを描いてもらいやすくなると思うんです。間取りの多くはカラーですし、手書きのようなあたたかさを表現した間取りもあります。ーーなるほど。タイトルで引き付けて、イラストでは快適に過ごすイメージを沸かせる。だから、間取りに特化したアカウントで伸びたんですね。鍵は、ユーザー目線の間取りを投稿ーーインスタグラムの運用を通して、どのような間取りが人気だと感じますか?西垣:フォロワーの関心を集めるのは、平屋プランや大規模な間取りですね。平屋は、建てるかどうかは別として「憧れ枠」のような位置づけです。間取りが広いプランに関しては、家づくりにおける大半の方の要望が詰め込まれている。だから必然的に人気があると思います。一方で、小さい間取りはリーチが伸びにくく、コメント欄が荒れがちです。。。苦笑ーーそれはなぜでしょうか?西垣:建てるエリアによってスタンダードな広さが違うからです。例えば、「東京の狭小地に建てる3階の住宅」を投稿すると、子ども部屋が4畳ほどの間取りも当たり前のようにあります。それに対して、「4畳なんて、ありえない!」などの意見をいただきますね。実際には普通に暮らせますし、窓で視線の抜けをつくると広さを感じやすかったりするので、間取りだけではなんとも言えない部分もあります。ーーただ、狭小地が課題の方もいらっしゃいますよね?西垣:そうなんです。弊社の場合はインスタグラムの運用において、広くリーチを取る施策を心がけています。ですが、狭小地や現実的な間取りなどもたまに投稿するようにはしていて、伸びは小さいけど間違いなく参考にしてくださっている方はいると思います。ーー17.4万人に成長したアカウントですが、「なかなか伸びないな」という時期もあったんですか?西垣:ありましたね。訴求が弱い間取りが続いたときは、伸びづらかったです。ぼくが「いいね!」と思う間取りと、世の中が「いいね!」と思う間取りがズレてる時です。「あれ?僕は何が好きだったんだっけ?」と、自分の評価軸を見失いそうになることもありました(笑)。ユーザー目線や暮らしの課題の重要性は忘れずに投稿しようと思いますね。「暮らしの課題」は間取りで解決できることを、これからも発信する「間取りは人の暮らしが見えやすいな、と感じるんです。だから間取りの面白さもインスタグラムで伝えていきたい」と西垣さんは言います。madreeのアカウントがボリュームのあるアカウントに成長を遂げた背景には、「今の暮らしを改善したい」ユーザーのニーズに対し、間取りを通して解消できる点を発信したこと。課題点をキャッチーな言葉で示し、間取りにあたたかみのある工夫を添えたことにあります。インスタグラムに投稿している間取りは、すべて弊社に登録している全国の建築士がオーダーメイドで作成した間取りです。madreeではこれらの間取りを約6,000枚保持しており、madreeデータバンクとして、住宅企業さま向けの営業接客ツールとしてご活用いただいております。「多数の間取りを作成する時間がない」「お施主さまに響く間取りを複数提案できない」などの悩みがある企業さまは、ぜひお問い合わせください。