住宅営業において、お客様の要望を引き出して適切な提案をするには、ヒアリングがとても重要です。ヒアリングは住宅営業を成約につなげるためのカギであり、コツを押さえておく必要があります。当記事では、住宅営業でヒアリングを行う際に押さえておきたいコツを解説しますので、住宅営業で成果を上げるための参考にしてみてくださいね。なぜ住宅営業でヒアリングが重要なのか?住宅営業でヒアリングが重要と言われる理由には、以下の2つが挙げられます。お客様のニーズを引き出すためお客様との信頼関係を構築するためそれぞれについて、詳しく解説します。お客様のニーズを引き出すためお客様に合った「自分らしい暮らし」を実現するには、お客様が何を求めているのかを営業マンが引き出すことが大切です。お客様の年齢・勤務先・家族構成などの基本情報や、住宅に対する表面的な要望だけを聞くのではなく、要望の奥に隠れている想いを引き出せるよう、丁寧にヒアリングをしましょう。こうすると、お客様が住宅に対してどのようなニーズを持っているのかを引き出せるようになります。お客様との信頼関係を構築するためお客様自身が気づいていない欲求を気づかせてくれる営業マンは、信頼度が上がるものです。多くのお客様にとって、家を建てる機会は一生に何度も訪れるものではなく、質問の内容や伝え方が分からないケースも多いのです。お客様が気づいていない要望や課題・欲求などをヒアリングできると、お客様は「こちらの事情を理解してくれる」「話を分かってくれる」などと感じ、営業マンに対して信頼を寄せてくれるでしょう。住宅営業におけるヒアリングの流れ住宅営業では、以下の流れでヒアリングを進めていきます。質問項目をピックアップする初対面の時は自己紹介をする商談からではなく雑談から始める雑談の内容をもとに事例を紹介するヒアリングを進めるそれぞれの流れにおける注意点やポイントを見ていきましょう。質問項目をピックアップするお客様にお会いする前には、以下のような質問事項をピックアップしておく必要があります。具体的な質問事項を考えておくと、聞き逃しを防げるだけでなく、質問が曖昧になる心配がなくなるため、できるだけ詳しくピックアップするようにしましょう。質問をピックアップするのと同時に、質問の流れをシミュレーションしておくとスムーズに進められます。初対面の時は自己紹介をするお客様と初めて顔を合わせる際には、必ず自己紹介をしましょう。営業マン自身についてだけではなく、会社についても簡単に伝えられる資料を準備しておくことが大切です。初対面の場でお客様に好印象を与えるためには、次の4つの要素が重要です。清潔感を感じる身だしなみ柔らかい表情丁寧な言葉遣い・動作距離感お客様が営業マンに対して抱く第一印象は、その後の営業の進め方にも大きく関わってくるため、細かく気を配っておいて損はありません。商談からではなく雑談から始める住宅営業では、いきなり商談から始めるのではなく、雑談から始めるのがポイントです。雑談のほうが、お客様が話しやすい雰囲気をつくりやすく、リラックスして話せるようになります。雑談の中には、お客様自身も気づいていなかった真意や営業のヒントが潜んでいるケースが多く、そこから得た情報がその後の商談の流れを大きく左右することも珍しくありません。雑談時には、お客様が興味のある話題を提供したり、共通の話題を持ち出したりすると、雰囲気づくりに役立ちます。会話のキャッチボールを楽しみながら、良い雰囲気づくりを心がけましょう。雑談の内容を基に事例を紹介する雑談からお客様の要望が明確になったら、その要望に合った事例を紹介していきます。事例を提示することで、お客様が実際の住宅のイメージを想像しやすくなります。住宅購入の初心者であるお客様は、プロである住宅営業マンからのアドバイスを必要としているものです。分かりやすく、具体的なアドバイスをするためには、いくつかの事例を挙げるのがベストだと考えます。お客様の価値観・ライフスタイル・住宅に対する要望などに合わせた事例を紹介しましょう。ヒアリングを進める紹介した事例に対して、お客様がどのような反応を示すか見極めながら、質問と提案を繰り返してヒアリングを進めていきます。お客様の要望と事例との共通点や異なる点を見極めることで、お客様の要望により近づけるようになります。成約に近づけるためには、提案の中に自社の強みを織り交ぜて提案することも重要です。お客様の中には、購入する住宅メーカーを選ぶのに迷っている方も多く、成約の決め手を判断するために営業マンの話を聞く方が多くいます。そのことを意識して、自社ならではのメリットをしっかりと伝えていきましょう。(画像引用元:『オープン/クローズド・クエスチョンとは|疑問文の分類』)お客様に質問する時には、お客様が自由に回答できるオープンクエスチョンと、二者択一で回答するクローズドクエスチョンの2つを使い分けましょう。お客様の興味や要望を引き出すにはオープンクエスチョンを、明確な回答を引き出すにはクローズドクエスチョンを使うのが効果的です。住宅営業のヒアリングで重要な3つのコツとは?住宅営業のヒアリングでは、以下の3つを特に重視したいものです。共感している気持ちを伝える傾聴を心がけるお客様が求める情報を提供するそれぞれのコツについて、詳しく解説します。共感している気持ちを伝える共感力は、相手の考えや意見を受け止めたり、感情に寄り添ったりするためのスキルであり、対人関係を良好に保つために必要不可欠です。住宅の購入を通してお客様が叶えたい夢や抱いている不安などに営業マンが共感することは、住宅営業におけるとても重要なポイントです。プラスの気持ちだけでなく、不安や心配など、マイナスの気持ちに対しても共感を示したうえで対処策を提示すると、お客様の不安を大きく軽減できます。傾聴を心がける傾聴とは、相手の話に真剣に耳を傾け、話の内容を正しく理解しようとする姿勢のことです。ヒアリングはお客様のお話を聞くことが目的であり、営業マンが一方的に話す場面ではありません。営業マンからの一方的な話は、お客様が不信感を抱くきっかけになるため、営業マンは傾聴を意識して聞き役に回るようにしましょう。話の割合は、お客様が7・営業マンが3となるのが目安です。お客様に対して質問攻めにならないように十分注意しながら、ニーズを引き出していきましょう。お客様が求める情報を提供するヒアリングでは、お客様が求める情報をしっかりと提供する必要があります。お客様に成約していただきたい気持ちが先走り、お客様を誘導してしまうと、売り込みを受けていると感じて警戒心を抱いてしまいます。求める情報には、先述した事例のほかに、エリア情報なども含まれます。お客様が住み始めてからも快適な生活が送れるよう、先を見越した情報提供が重要です。ヒアリングにはヒアリングシートを活用しようお客様にヒアリングを行う際に、聞き逃しなくスムーズにニーズを引き出すためには、お客様に対する質問事項をまとめたヒアリングシートの活用が有効です。ここからは、ヒアリングシートの役割や記載項目について解説します。なぜヒアリングシートが役立つのか?ヒアリングシートは、住宅に対するお客様の優先順位を決めるのに役立ちます。住宅の要望は、ご夫婦やご家族で異なるケースもあり、優先したい点が分からないお客様も少なくありません。それもヒアリングシートを活用することで、優先順位が明確に決められるようになります。お客様の基本情報を把握し、会話を広げることが、ニーズを特定したりお客様について理解したりするきっかけになります。ヒアリングシートには質問事項が書かれているため、質問の聞き漏らしを防いで質問の質や契約率を高める効果も期待できます。ヒアリングシートに記載する項目ヒアリングシートに記載する主な項目は、以下の通りです。お客様の基本情報家を建てる理由間取り・エリア・予算などの希望住宅に対する疑問や不安希望納期お客様の基本情報お客様の現在のお住まいの状況や、お住まいに対する考え方などを記載する項目です。現状を分析するうちに、お客様も気づいていなかった課題が見つかるケースがあります。お客様の家族構成を把握し、住宅を契約する主導権がどなたにあるのか、誰のために住宅を建てたいのかなどもヒアリングすると、スムーズに話し合いを進められます。家を建てる理由お客様から本音を引き出すには、なぜ家を建てるのか、お客様に寄り添って耳を傾ける姿勢が必要です。初回で営業マンに対して住宅購入への本音を語るお客様は決して多くはありません。それも真摯に話を聞く姿勢を大切にすることで、心を開いてくれる可能性が高まります。間取り・エリア・予算などの希望住宅購入に関して、間取り・エリア・予算などの希望をヒアリングシートへ記載いただくと、希望に合う物件の提案がしやすくなります。ただ、予算に関してはお客様がはっきりと根拠を示すケースは少なく、大まかな金額を伝えることがほとんどです。間取りやエリアなどの希望を踏まえ、適切な資金計画を提案できるかどうかは、営業マンの腕の見せどころです。住宅に対する疑問や不安住宅購入には、誰しも疑問や不安を持っているものです。最初の段階で、できる限り疑問や不安を解消しておくと、お客様は住宅購入を前向きに検討できるだけでなく、営業マンに対する信頼度も高まるでしょう。希望納期住宅購入を検討し始めてから引き渡しまでには長い期間を要します。希望納期を明確にし、納期までのスケジューリングをしっかりと立てる行動が必要です。希望納期が具体的に決まっているお客様もいれば、「いい物件が見つかれば」くらいに漠然と考えているお客様もいます。お客様の中には、入居までに要する期間を把握していない方もいるため、ヒアリングの中で考えを明確にしておくことが重要です。まとめ住宅営業において、お客様の要望を明確かつ漏れなく引き出し、信頼関係を築くには、適切なヒアリングが必要不可欠です。当記事で紹介したヒアリングのコツを参考にしながら、お客様の想いをしっかりと受け止めていきましょう。