建材・見た目・ブランドなど、家づくりにおいて何を重視するかは、お施主さまのライフスタイルや価値観によってさまざまです。しかし、2022年の住団連の実態調査では「住宅購入で重視する点」の第1位は「間取り」であり、61.8%を占めています。また、日経ホームビルダーの調べによると、住宅購入者の95%が間取りに不安を抱えているというデータもあります。つまり、家づくりにおいて間取りは重要な要素であることが分かります。しかし、お施主さまにとって、なぜ間取りがそれほど重要なのでしょうか?本記事では、工務店における間取りの重要性について、マーケティング部の西垣に話を聞きました。間取りは“限られた予算の中”で暮らしをよくする要素ーー以前、西垣さんは「間取りは快適な暮らしをする上での手段」とおしゃっていました。(※)ただ、暮らしをよくする手段は間取り以外にもあると思うんです。例えば、床材の質を高めたり、高機能な食洗機を導入したりとか。この点について、西垣さんはどうお考えですか?西垣:おっしゃる通り、建材や設備の選択も暮らしをよくするアプローチですね。しかし、それはお施主さまの予算に大きく左右されると思います。予算が限られている中で理想の暮らしを実現するには、建材や設備よりも間取りの工夫が最も効果的だと考えます。間取りは、知恵を絞ればお金をかけずに改善できる余地が大きいと思うんですよね。ーー確かに。お金をかければ快適な暮らしができますが、予算ありきの話ですよね。そう考えると、間取りは暮らしをよくする手段としてコストパフォーマンスがよい気がします。西垣:コストパフォーマンスという言葉は適切ではないかもしれませんが、間取りを工夫すれば予算を抑えて暮らしをよくできますね。新築はもちろん、リフォームでも同じです。予算は限られていますが、間取りの可能性は無限に広がっているので、お施主さまのライフスタイルに合わせた間取りを提案すれば、満足度の高い家になると思います。序盤で間取りを複数提案すれば、受注率は上がるーーmadreeのインスタグラムのフォロワー数の(17.4万人)背景から、実は多くの方が間取りに強い関心を持っているんだと気づかされます。素朴な疑問ですが、住宅会社は間取りのバリエーションを序盤であまり提案しないのでしょうか。西垣:会社によりますが、多くは数パターンの提案にとどまっていると思います。中には、設計申し込み後にお支払い完了を経て、間取りを作成する企業もあります。現状の業界構造では、会社のブランドイメージ・外観デザイン・営業担当者との相性などが受注の決め手になりがちです。間取りの検討は後回しになる傾向がありますね。ーーなるほど。ただ、間取りを重視するお施主さまは、自分に合った間取りを複数提案してほしいと思います。後回しになる背景は、工務店側の事情もあるのでしょうか?西垣:工務店側は、「複数の間取りを作成する時間がない」「会社の施策として間取りが導入口ではない」などの事情もあると思います。しかしその結果、間取りに関心があるお施主さまにとっては要望に沿った提案ができずに失注してしまうケースは少なくないでしょう。そのため、工務店側は早い段階から間取りの優先度を上げれば受注につながると感じます。ーーちなみに、お施主さまはどのタイミングで間取りの重要性に気づくと思いますか?最初から「家づくりは間取りが大事!」と認識する人は多くないと感じます。西垣:私の予測ですが、間取りの重要性に気づかずに家を建てる人は多いと思います。もしくは、「間取りの提案がしっくりこないけど、どこをどのように変えたらいいかわからない」という場面に直面して気づくこともあるのではないでしょうか。住宅購入者の95%が「間取りに不満を抱えている」というデータは、その結果だと思います。(日経ホームビルダー調べ)それに加えて、住宅会社の受注は営業担当者の人柄や相性で決まるケースが多いですね。実際にmadreeのインスタグラムのアンケートでは、「住宅会社の決め手はなんですか?」という回答の大半が「営業担当者との相性」だったんです。ーー間取りではなく、「相性がよい」と感じてもらえる営業担当者の手腕により受注できるケースもあるということでしょうか?西垣:相性の中には、間取りの提案も含まれていると思います。1つの間取りしか提案できなくても、お施主さまが「伝えた要望を汲み取ってくれた!」と感じれば、それも相性の一つと言いますか。最終的には「お施主さまの要望を汲み取った間取りを提案できるかどうか」が、受注の成否を分けると思います。ーーなるほど。そう考えると家づくりの満足度につながるのは、やはり間取りなんですね。西垣:そうですね。お施主さまの大多数は内装や外観、建材の素材や性能に目が行きがちです。もちろん、間取りに興味がない方は、それでもよいと私は思います。しかし、暮らしをよくしたい希望があるなら生活の課題を解決し、お施主さまのライフスタイルに適した間取りの提案が重要です。お施主さまから「家を建ててよかった」と最終的に思ってもらうためにも、営業担当者のスキルだけでなく、会社全体の提案力を高める必要があると思います。提案の幅を広げるために、madreeデータバンクができることーー受注につなげるためには、お施主さまに求められる間取り作成が必要不可欠ですよね?西垣:おっしゃる通りです。暮らしを少しでも改善したい要望に応えるには、madreeデータバンクが持つ豊富な間取りのバリエーションを手札として持つのも一案です。そうすれば、お施主さまにアプローチしやすいと考えます。もちろん、間取りにまったく興味のないお施主さまもいるので、すべてのケースでデータバンクが必要というわけではありません。しかし、暮らしをよくしたい思いがあるお施主さまに対しては、ぜひmadreeデータバンクの間取りを使って幅広い選択肢を提案してほしいですね。ーーヒアリングの段階からmadreeデータバンクを使えば、工務店側のメリットもありますか?西垣:複数の間取りを作成する手間が省けるのはもちろん、ヒアリング時にも使えます。提案の手札に活用できますし、間取り作成のたたき台にもなる。お施主さまの求めている「暮らしやすさ」につながる間取りを作って、受注につなげていただければ幸いですね。ーー最後に、madreeの間取りの見せ方の工夫をお聞かせください。西垣:madreeの間取りは、人や物を含めた細かいイラストが描かれているものもあります。イラストがあることで生活のイメージが想像しやすく、図面に温かみが出るんです。このような一手間をかけるかは、とても大切だと考えています。間取りは、お施主さまの理想の暮らしを実現するためのツールです。madreeデータバンクの間取りを通して、その可能性を再認識していただきたいと思います。無料メールマガジン登録はこちら